【中高生向け!歌が上手くなりたい】合唱にも使える実践テクニック

2024-06-25

この記事でわかること

  • 歌うときの立ち方や、姿勢について分かる
  • ブレスや腹式呼吸について理解できる
  • 表情豊かな声を出すための発音の仕方が分かる

歌は、ピアノを弾いたり、フルートを吹いたり、何かの楽器を介して音を出すのではなく、自らの身体を楽器にして声を作っていきます。

歌を歌う時にとても重要になってくるのが、姿勢や呼吸法です。
今回は、「歌がもっとうまくなりたい!」「もっと表情豊かな声を出して合唱を歌いたい!」と思っている中学生の皆さんに向けて、歌がより上手くなるためのポイントを解説していきたいと思います。

正しい姿勢をしていますか?

皆さんは、自分が歌っている時の姿勢がどんな姿勢になっているか意識したことはありますか?
歌は、自分の身体が楽器です。姿勢が悪いと、良い音も良い響きも作れません
まずは、一番大切な基本の姿勢について説明していきます。

立ち方のポイント

人間は直立二足歩行の生き物で、二本の足で歩いたり立ったりする事ができるのは当然のことです。
では、歌を歌うときの立ち方にはどのようなポイントがあるのでしょうか?

歌を歌うときの基本の姿勢ですが、両足を肩幅ぐらいに開きます。それから両肩を上にあげて、息を吐きだすと同時にストンと肩を落とします。このとき、上半身はリラックスした状態で楽にしてください。下半身は上半身を支えるため、少し力を入れて立ちます。

このときに重要なのが、「リラックスして、体が安定している」状態です。

この状態で、急に後ろから誰に押されても、ヨロヨロとせず下半身が安定し、まっすぐ立っていられることが大切です。

姿勢は頭のてっぺんから糸で引っ張られているようなイメージで、息がスムーズに気道を通るよう背筋を伸ばして立ちます。

「腹式呼吸」を練習しよう

「腹式呼吸」とは、歌を歌うときにとても大切な呼吸法になります。

呼吸をする時に空気を吸ったり、吐いたりを繰り返しますが、これは横隔膜と呼ばれる肺の下にある筋肉を動かすことで人間は呼吸ができます。

腹式呼吸は、この横隔膜を動かすことで肺を広げ、空気を深く吐き出す呼吸法になります。

人間の呼吸には、胸式呼吸を腹式呼吸があります。睡眠時は自然に腹式呼吸になっており、この呼吸の酸素量は600~700ミリリットルです。
胸式呼吸の酸素量は約450ミリリットルなのに対し、腹式呼吸の方が取り込む酸素量が多いです。
また、胸式呼吸の呼吸数は1分間あたり15回ほど、腹式呼吸の呼吸数は10回ほどになるそうです。

吸える息の量が胸式呼吸より腹式呼吸の方が多いため、腹式呼吸は歌を歌うためには、とても効率の良い呼吸法になります。

「腹式呼吸」の間違ったイメージ

「腹式呼吸」は、その名称から「お腹で呼吸」するものだと間違ったイメージを持たれてしまいそうですが、吸った空気は肺に入るのでお腹に空気は入りません。

イメージとしては、「腰のあたりで呼吸する」と考えたほうが良いかもしれません。

両手を腰のあたりに当てて、息を吸ったときに左右に広がり、息を吐いたときに縮むように動いているか確認するようにしてみると良いでしょう。

「ブレス」を練習しよう

「ブレス」とは息を吸うことです。楽譜には「V」の記号で息を吸うところが示されています。
ブレスは意識をしないと、息を吸う量が不足しがちになってしまいますのでとても大切です。
呼吸が足りないと声が出ないのはあたり前ですが、中途半端なフレーズの途中でブレスをとることになってしまいます。

ブレスをするときに、息は鼻から吸うと腹式呼吸になりやすく酸素も多く取り込めますが、慣れないうちは鼻から大量の息を吸うのは大変だと思う方は、無理せず口で吸ったほうが良いかもしれませんね。
だんだんと慣れてきたら、鼻と口の両方を使ってブレスを吸うようにしていくと良いでしょう。

ブレスは少し長めの休符のときや、短い休符、フレーズの間に急いで短いブレスを吸うなどして上手に使い分けられるようになると、色々な歌が歌いやすくなります。

「正しい発音」を気を付けよう

歌はピアノなど他の楽器とは違い、音に歌詞がついています。
表情豊かな声を出すためには、発音がとても大切になってきます。

聞き手に歌詞の意味が正しく伝わるように、普段話している以上にはっきりと発音しなければ伝わりません。

日本語には「あ・い・う・え・お」の「母音」と、それ以外の「子音」がありますが、歌う時には特に子音に気を付けて発音するようにしてみましょう。

子音は、子音+母音で構成されているため、母音に比べて聞き取りにくい場合があります。
母音は比較的明瞭に響きやすいのですが、子音を意識した発音によって歌全体にメリハリがつき、歌詞の意味が明確になります。

また、慣れてきたら自分の声だけではなく、周りの声も聴いてみてください。
強弱や発声の方法がバラバラにならないように、みんなで一つの音楽を作り上げるように意識することが大切です。

より美しい声を出すためには

表情豊かな声を出すために、発音に気をつけなければいけないと解説しましたが、より美しい声を出すために、響きにも意識してみてください。

声帯の上にある咽頭腔、口の中の口腔、鼻の空間にある鼻腔を意識し広げることで、共鳴する容積を大きくすることで共鳴する部分が増えます。

さらに目も大きく見開き、息の流れを意識しながら口角を上げて歌うことで、より響きのある声を出すことができます。 前に声を出すだけではなく、頭の少し後ろから糸で上に引っ張られているように伸びるイメージをもつと良いでしょう。

まとめ

歌は自分の身体が楽器であるため、しっかりとした姿勢や呼吸法が大切になってきます。
自分の姿勢は鏡を見て意識をすると、客観的に見ることができて分かりやすいです。
下半身で上半身を支えるため、東京タワーやエッフェル塔などをイメージすると良いかもしれません。
息をたくさん吸って声量や声を続けて出す時間を確保することができる腹式呼吸は、合唱にとても適している呼吸法のため、より良い声を出すために、是非マスターしたいですね。

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