『「思う」ことから』

2024-09-11

みなさんこんにちは、EVE事務局の大川です。

English Vocal Election vol.Ⅵとして、
企画・準備が着々と進行しております!

今回は、ミュージカルの歌唱において、
僕が一番大切にしていることについて、
お話しさせていただきます。

歌唱レッスンで、
僕が初めて担当するクラスやメンバーには、
毎回必ず、同じ質問から始めるようにしています。

「歌う時に、一番最初にやることは何だと思いますか?」

この質問をすると、、
各々が想像力を沸き立たせながら、
色んな答えを教えてくれます。

「息を吸う!」
「姿勢をきれいにする?」
「リラックスする」
「立ち位置につく」
「役になりきって歌う」
「笑顔で歌う!!!」

今まで色んなスタッフに言われてきた事を
かき集めて教えてくれますが、それに対して僕は、

「もっと最初にやらないといけないことがあるよ」
「おお!それ惜しい!」
「あ、離れちゃった!!」

などと言いながら、答えを焦らします。
皆さんが教えてくれる答えは、どれも必要なものですが、
僕が最も大切にしてしていることは、
そのどれよりも最初にやって欲しいことです。

それは「思う」ことです。

普段、我々は何も意識せずとも、「思う」ことが出来ます。
そして、「思う」ことで、我々は歩くことが出来るし、
ご飯を食べることが出来るし、言葉を話すことが出来ます。

では、ミュージカルの場合ではどうでしょう?
ミュージカルの場合、何かを「思う」時に、
それが台詞になり、歌詞になり、
音楽に乗せて、歌うことで表現されます。

ということは、
ミュージカルに出てくるキャラクター達は、
ひとりひとりが、何かを「思って」そこに存在していて、
何かを「思う」から、台詞をしゃべるのです。

よく、お芝居の練習をする際に、

「台詞に感情を込めて!」

という言葉を耳にしますが、
これは間違いです。

もともとある台詞に「思い」を込めるのではなく、
そもそも「思う」から、台詞が生まれるのです。

また、不思議なことに、
人間の心と身体はつながっています。

人前に出た時に、心が緊張して、
それに連動して身体がこわばる感覚は、
誰しもが経験しているものだと思います。

人間の声も、声帯という身体の一部から出ている訳ですから、
「失敗したらどうしよう」と心で「思う」と、
自然と不安な声になってしまうのです。

では反対に、「楽しい」と思えばどうでしょう?
「人に幸せになって欲しい」と思えばどうでしょう?
「人に喜びを伝えたい」と思えばどうでしょうか?
声は自ずと、「思い」に応じて変わっていくのです。

こども達のまだまだ発展途上の身体で出来ることは、
そう多くはありません。
しかし、子ども達の想像力が
大人のそれを容易に上回ることがあることは、
我々の誰しもが知るところであります。

その想像力をフルに使って「思う」ことが出来たならば、
それは生きた歌声となり、最高のパフォーマンスに
成り得るものだと僕は思います。

EVE vol.VIでは、そんな無限の可能性に出会えることを楽しみに
プロジェクトの進行を行って参ります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

English Vocal Election事務局
大川

‍English Vocal Election 事務局

〒662-0834
兵庫県西宮市南昭和町1-3
(ユースシアタージャパン西宮スタジオ)